
作者は大阪の有名な古書店
「天牛」の創始者・天牛新一郎氏
(1892-1991)であります。
以下にその原文を書いてみます。
「ボケたらあかん 長生きしなはれ」
天牛 新一郎 94歳
① 年をとったら出しゃばらず
まれ口に、泣きごとに
人のかげ口、愚痴言わず
他人のことは誉めなはれ
聞かれりゃ教えてあげてでも
知ってることでも知らんふり
いつでもアホでいるこっちゃ
いつでもアホでいるこっちゃ
② 勝ったらあかん負けなはれ
いずれお世話になる身なら
若いもんに花持たせ
一歩下がって譲るのが
円満にいくコツですわ
いつも感謝を忘れずに
どんなときでも
へェおおきに
どんなときでも
へェおおきに
③ お金の欲を捨てなはれ
なんぼゼニカネあってでも
死んだら持って行けまへん
あの人はええ人やった
そないに人から言われるよう
生きているうちにバラまいて
山ほど徳を積みなはれ
山ほど徳を積みなはれ
④ そやけどそれは表向き
ほんまはゼニを離さずに
死ぬまでしっかり持ってなはれ
人にケチやと言われても
お金があるから大事にし
みんなベンチャラ言うてくれる
内緒やけれどほんまだっせ
内緒やけれどほんまだっせ
⑤ 昔のことはみな忘れ
自慢話はしなはんな
わしらの時代はもう過ぎた
なんぼ頑張り力んでも
体がいうこと聞きまへん
あんたはえらい
わしゃあかん
そんな気持ちでおりなはれ
そんな気持ちでおりなはれ
⑥ 我が子に我が孫に世間さま
どなたからでも慕われる
ええ年寄りになりなはれ
ボケたらあかん
そのために
頭の洗濯生きがいに
何か一つの趣味を持って
せいぜい長生きしなはれや
せいぜい長生きしなはれや