内藤多仲(ないとう たちゅう)
世界に誇れるものは殆どなかった時代に
世界一高い鉄塔を造ろうとしたから
世界は驚いた。
333mの東京タワーは、自立鉄塔
としては今でも世界一であり
現役のテレビ塔でもあります。
昭和30年、敗戦から10年、東京は
まだまっ平でした。
新しく生まれた娯楽、テレビが
人々を熱狂させていた。
◇代表作東京タワー◇
長男、名古屋テレビ塔 180m 1954年竣工
次男、通天閣 103m 1956年竣工
三男、別府テレビ塔 90m 1956年竣工
四男、札幌テレビ塔 147.2m 1957年竣工
五男、東京タワー 333m 1958年竣工
六男、博多タワー 100m 1964年竣工
塔以外にも、多くの建物の
構造設計に携わり
建設された建物初となる
重要文化財となっています。
画像は毎日新聞社の昭和毎日で、ご覧下さい。
驚くことに東京タワーは
すべて鳶の職人たちが手作業で
組み立てたそうです。
もちろん鉄骨はクレーンで運び
上げますが、そこからが彼らの独壇場。
部材の穴に800度に熱せられた
リベット(鉄のピン)を差し込み
ハンマーで一気に打ちつけ見事
に接合させる。
このリベットは、下にいる職人
さんがあらかじめ炉の中で加熱
していて、必要になると鉄製の
箸ではさみ、なんと上の作業場
へ放り投げるそうです。
それを上で待ち構えていた別の
職人さんが専用の筒でキャッチ
するそうです。
東京タワーの設計を終えた
内藤博士は、後にこのように
語っています。
「設計にあたって、まず
考えたのは形のことです。
やっぱり眺めて美しく
なければいけません。
でも、なにより安全第一です。
とにかく大きいから万一の
ことがあったらそれこそ大変です。
しかし絶対心配ありません。
風速90m/秒の台風、関東大震災
の2倍の地震がきてもビクともしませんと・・・。
流石、内藤博士です。
勿論コンピューター以前に電卓もない時代に。
今では考えられません。
東京タワーの建設工事中に
怪我とか死亡事故ってあった
のでしょうか?
当時の記録を調べてみると
トビの一人が足を滑らせ転落した。
6月、現場の高さが増すにつれ
大きな敵が現れた。
突然吹き付ける強風だった。
足元を揺さぶられ、そのたびに鉄骨にしがみついた。
午前10時のことだった。突然悲鳴があがった。
トビの一人が足を滑らせ転落した。
即死だった。
塔が見える増上寺で、精一杯の葬儀が行われたと。
昨今でも徹底的に安全管理しても事故が
なくならない。
そして、今も当時のまま悠遊とした
力強さを感じられる東京タワー。
画像は毎日新聞社の昭和毎日で
お楽しみください。