三の重
筑前煮や煮しめなど
季節の野菜をたっぷり
使った煮物を詰めます。
◆昆布巻き
こんぶは養老昆布=よろこぶで
不老長寿とお祝いの縁起物です。
「子生(こぶ)」の字をあてて
子孫繁栄を願うものでもあります。
また、巻物に通じることから
伊達巻同様、文化の反映や学問成就の
意味も持っています。
◆煮しめ 根菜を中心とした野菜
などを一緒に煮た煮しめには
家族が仲良くいっしょに結ばれる
という意味があります。
もちろん! 煮しめに入る具材も
それぞれ意味を持っています。
◆里芋
親芋にたくさんの小芋が付くことから
子宝に恵まれますようにという
願いが込められています。
◆くわい
最初に大きな芽が出ることから
「めでたい」にかけて、出世(芽が出る)
を願った食べ物です。
黄色に色づけ(クチナシで着色)
することで財を表し、お金や豊
かさを祈願します。
また、昔の仮名遣いで「か」
を「くわ」と書いたことから
くわい → かい → 快 で
一年を快よく過ごすことが
できるように。
という説もあります。
◆陣笠椎茸(椎茸)
椎茸の笠を陣笠に見立てたものです。
神様へのお供えとして珍重されて
いた椎茸は、元気、壮健への願いが
込められています。
◆楯豆腐(豆腐)
煮含めた高野豆腐に焼き目を
つけて楯に見立て 家が守ら
れるように。
という祈りを込めたものです。
◆手綱こんにゃく
こんにゃくを手綱に見立てたもので
手綱を締めて心を引き締め、己を
厳しく戒め戦いに備える心を養う
ということを意味しています。
武家社会の名残がここにあります。
また、「結び目」が
「円満」
「良縁」に通じることから
縁を結ぶという縁起を担いで
用いられます。
◆梅花にんじん 梅は、花が
咲くと必ず実を結ぶことから
縁起ものとされています。
また、にんじんの赤色は寿を
あらわすとも言われています。
ちなみに、円くかたどった
にんじんは、日の出にんじんと
呼ばれます。
まんまるは良縁を意味するそうです。
◆たけのこは成長が早いので
子供がすくすく育つように願って
天に向かって伸びるので、立身出世
を願った 。
その成長する様子を家の繁栄にたとえた
など、様々な説があります。
一言でおせち料理といっても
お住まいの地域によって違いが
あれがない。
と思う料理もあるかもしれませんが
そのあたりはご勘弁ください。
それにしても、重箱の中には
たくさんの願いが込められ
ているものですね。
お正月が楽しみです。